傍にいてねって言ったのにな

アジサイも、一緒に見に行きたかったな


思い出す


あの夏はまるで昨日のようなのに


一緒に行こうねと約束した海も、花火も、温泉も
なにもかも



たった一言に流されて消えた
とてもとてももろかった
幼かったといえばそれまでなのだろうか






あれから




あなたは誰と笑っていますか







私は、まだ思い出すのです
違う人の手を取って、お互いに背を向けたあの夏を
あなたの言葉に、うまく答えることができなくて
意地だけ張り続けて、離してしまったあなたの指を







あの時、素直になっていたら
今私の横にはあなたがいてくれたのかもしれない


そんな夢を

時々見るのです




「夢」でしかないのですけれど







長い人生の中での、あっという間の時間だったけれど

たぶん、ずっと忘れない


今も、時々思い出すのです


たとえあなたがそんなこと もうどうでもよくても