老人社会の諸事情

結婚式ブーケ

ハナちゃん(仮名・旦那祖母)は健忘が激しい
脳が萎縮してるから

でも介護度は要支援



介護を必要とするまでではない

生活のお世話はほとんど要らない
ご飯の支度で、火を使わせたりするのが心配な程度
あと、すぐ忘れちゃうから、一人で住むのはムリ



祖父亡き後、富山に独りでいるときは
近所のばーさんがいろいろ金だのモノだの盗みに来てて




義父たちが様子を見に行ったときには
送っていたお小遣いはおろか、客間にあった飾り物系や
冷蔵庫の中身まで、綺麗さっぱり盗まれていたという・・・






そんなハナちゃん
去年の秋くらいに
旦那実家の千葉に引き取られてきていたのだが。
活動派の義母がおとなしく面倒見ているわけもなく
陶芸教室改築で忙しい義父にまでほったらかしにされ
ディケアをハシゴしながらも、離れで寂しく住んでいた







義母の実母が入院するまでは






もとは義母の実母であるミサヲさん(仮名)が
株でもうけたお金で建てた離れ


自分の老後、ここに住まわせてねって言って建てた離れ






そこに、先に独り暮らしが難しくなってしまった
姑のハナちゃんが入居してしまった






自分がはいるつもりで建てた家なのに






義母もおもしろくないみたいで
ハナちゃんがぼけて来たといっては
私に「施設に入れたら鬼嫁かしら?」とお伺いを立てる。









かわいいハナちゃん
「ディケアにいったら、話がつうじなくなってしまったお友達がいてね。
もう独りのお友達は『ボケが移る』って避けようとするんだけど
ボケは避けられるものじゃないちゃ
いつか、自分も近いうちにぼけると思うんよ・・・・。」
寂しそうに言ったハナちゃん






義母だけでなく、義父も介護疲れで
施設入所を望んでいる




24時間一緒にいたら確かに、変な会話になることもあるし
さっき食べたご飯を忘れちゃうこともある


でも


よくある食いボケみたいに
「ご飯まだかー??」って怒り出すんじゃなくて
「さっき食べたよ?」って言うと
「あれま?ホント?ありゃぁ。いよいよぼけたねぇ」って
顔赤らめて離れにひっこむハナちゃん



ミサヲさんはお金持ち特有の
わがままなおばあちゃんだから
私はハナちゃんの方が大好きで



でもね









孫嫁に決定権はないんだ







なるべく、逢いに行くね
入所する前に、どっか一緒にいこうね
温泉が遠かったら、銭湯でもいいよ








私にはなんの力もない
せめて
私の存在すら忘れないうちに
ひ孫の顔を見せてあげることしかできない・・・のかな